中央競馬で一勝すことがこんなに難しいとは
無観客競馬が続く中、
函館の新馬戦で、スライリーが
優勝してくれました。
オルフェーヴルの初産駒は、
2015年生まれなので、
ちょうどこの仔は、第4世代。
第一世代から、毎年、オルフェの子を
購入し続けています。そして、
いまだに1勝もしていませんでした。
中央競馬で1勝することがどんなに難しいか?
この5年間オルフェーヴル の仔と過ごして、
嫌なほど実感してきました。
競走馬にとって新馬戦は、
まさに一生に一回しかないチャンス
そこで優勝できる馬は255頭です
競走馬は毎年8000頭前後
生まれてくるので、スライリーは、
3%の確率の世界で優勝したんです。
新馬戦優勝総額賞金は、1055万円です。
スライリーの募集価格は900万円でした。
1回のレース賞金が購入代金を超えました。
誰も見向きもしなかったスライリー
1年前に、北海道日高で行われた、
一口馬主セレクトツアーで、
この仔土と出会いました。
父はもちろんオルフェーブル。
母の父は、ディープインパクトで、
三冠馬の組み合わせです。
価格が900万円とずば抜けて安く、
出会うまでは、きっと、
小さな仔であろうと予想していました。
嫌な予感は、ずばり的中。
当日配られた資料で、
馬体重が370kgと判明。
この頃の競走馬は、ほとんどの馬が、
400kgと体高150cmを超しています。
体高も149cmと最も低かったです。
全募集馬はパドック(下見所)で、
1頭ずつ順番に回遊されます。
その前の時間帯は、馬房で待機しています。
その時に、自分の気に入った馬を馬房から出して、
馬の動きを見ることがでいます。
人気募集馬の馬房の周りは人だかり。
スライリーには、誰も注目せず、
唯一、私一人が馬房から馬を出していただいて、
何回も何回も、馬の動きを見学しました。
馬の動きを見ても、良馬かは分かりませんが。
厩務員さんから、詳しく説明を聞きました。
愛情を持って育成されていることがわかりました。
デビューまでの毎日にハラハラドキドキ
競走馬の成長は誰にも分かりません。
募集から新馬戦に出るまで、
1年から2年の月日がかかります。
激しいトレーニングで、故障も起こります。
また、体重や体高などの成長度合いが、
各馬バラバラなのです。
一口クラブの楽しみは、購入した馬の、
近況が更新されるところにあります。
文章だけでなく、写真や動画もあります。
6月に出会ったスライリーは9月近況で、
成長の度合いはその中で一番と言って良いほどだ。
背丈が伸びたことも大きいが、胸前がグッと張って、
全体的に厚みが出ており、と記載された。
9月の報告では、体重が430kgとあり、
期待がどんどん高まってきました。年が明け、
顎の下に膿が溜まっている近況に心配もしました。
4月になると、体重も500kgを超えて、相沢郁調教師から、
夏の新潟デビューを目標に進める意向と報告があると、
申し込みがどんどん増えてきました。
私も、5月に満口なる直前に一口申し込みました。
5月28日ゲート試験を受け、合格の便りが入りました。
この時期の合格は一番早い組なのです。
まるで自分自身のことに、
喜びがこみ上げてきました。
人の行く裏に道あり花の山
現在の3大人気一口馬クラブは、
サンデー・シルク・キャロットです。
スライリーは、ユニオンの募集馬です。
あまり人気のないクラブの、
あまり人気のない募集馬でした。
満口にはならず、ずっと残っていました。
人気クラブは募集時に応募者が多く、
ほとんどの馬が抽選です。
はずれることも日常茶飯事です。
高額な馬の方が優勝する確率は高い。
紛れもない事実ですが、高額馬でも、
1勝もできずにターフを去ることもあります。
満口にならない馬でも、スライリーのように、
根性があって、優勝する馬も多くいます。
自分に合った楽しみを見つけて、
少額の資金でも、細く長く楽しめる、
それこそが、一口馬主の魅力です。